ノート e-POWER レンタカー試乗
私は車も好きで色々な雑誌やWebで情報収集をするのですが、
その中でも特に好きなのがMotor Fun illustratedの連載
”博士のエンジン手帖”です。
元マツダの技術者で、ユーノス800に搭載されたKJ-ZEM
(2.3Lスーパーチャージャ付きミラーサイクル)エンジンの開発者
畑村耕一博士が様々な車に乗り、そのパワートレインを評価する連載で、
国内メーカーがダウンサイジング過給のダの字も言っていない時から、
ダウンサイジング過給が当たり前になると言い続けていました。
現在の内外自動車メーカーのエンジンラインナップを見ると、
その見識にはただただ感服するばかりです。
そんな博士が現在の研究車両(自家用車)にされているのがノート e-POWERです。
博士に”エンジンの走りがいかにつまらんかようわかった”とまで言わしめた
その走りを、レンタカーで体験してきました。
ルートは日産レンタカー大阪空港店を出発、国道176号で氷上まで下道で行き、
そこから北近畿豊岡自動車道で豊岡まで行って帰ってくるというルートです。
私の愛車BRZでこのルートを行くと大体17km/Lぐらいの燃費を記録します。
店で鍵を受け取り、プリウス方式のシフトレバーを操作してDに入れると、
すーっと自然にクリープが出ます。当たり前やんと思うかもしれませんが、
デュアルクラッチやシングルクラッチのAMTではこれができない車も多い。
当たり前のことがしっかりできる、のっけから印象良好です。
アクセルを踏み加速するとすぐにエンジンがかかりますが振動は抑えられており、
音もロードノイズにかき消されるためにほとんど気になりません。
176を少し走り、名塩まできたところで写真撮影のためコンビニへ。
ここで説明書を読んで各種デバイスの使い方を確認。
エンジンルームやトランクスペースはこんな感じです。
ここでようやく燃費計の使い方がわかったので燃費計をリセット、
リセット前は平均時速23km/h, 平均燃費21km/Lでした。
休憩後Sモードにして、アクセルを緩めると自動でブレーキがかかる
ワンペダルドライブに挑戦しましたが、アクセルの調整代の大きさと比べ
ブレーキの調整代が小さいため運転しにくいのであきらめました。
ecoモードも試しましたが、加速がかったるくて受け入れられるものではありませんでした。
氷上まで来たところで昼休憩、ここまでの燃費はカタログ燃費に近い32km/Lを記録しました。
午後からは北近畿豊岡自動車道での高速走行がメイン、
モーターパワーとトランスミッションがないおかげで、
アクセルを踏むとタイムラグなくスムーズかつパワフルに加速するので、
高速での合流や追い越しもストレスなくスイスイ運転できます。
一方で燃費は直結モードを持たないe-POWERの泣き所で、
高速区間は20km/L台で推移した後、豊岡市内の走行で22km/Lまで回復しました。
小排気量エンジン+モーターをいうことを考えると燃費面では物足りない所。
豊岡ではコウノトリを見なが休憩後同じ道を帰り、
トータルで26km/Lの燃費を記録しました。
乗り終えての感想は、確かに加速は気持ちよいのですが、
遮音のまずさがその気持ちよさをスポイルしている印象です。
スタッドレスタイヤを履いていたせいもあるかもしれませんが、
またエンジンも流れに乗って走ると2400rpm付近で回る設定のため、
ロードノイズにまぎれて気になりにくいものの、それなりに存在感がありました。
(AT車のアクセルを一瞬ゆるめてギアアップさせるテクを無意識にしてしまうぐらいにエンジン音がする)
さらに60km/h付近でハンドルを切るとゴロゴロという音もします。
(システムモニタ上ではエンジンが止まっているのでモーターの振動?)
ロードノイズはタイヤ選定と遮音の徹底で、
エンジンノイズは排気量UPまたは過給でエンジン回転数を落とせば
それぞれ対策できるのではないかと思うけど、ノートクラスでは厳しそう。
足回りは通常エンジンのノートよりよかった気がするけど気のせいかも。
ハイブリッドで気になるのが電池の劣化ですが、
レンタカーは5万キロ超えの車でしたが電池残量が半分を割ることはなかったので、
10万キロぐらいまではあまり気にしなくてもいいのではないかと予想します。
最後にレンタカーを返却後、愛車のBRZに乗ると
アクセル・ブレーキ・ハンドルが重いし、乗り降りもしにくい。
エンジンも定速走行時はともかく、加速時はやかましくて
野蛮といえば野蛮なのだけど、
でもそれが運転することに特別な意味を与えてくれている気がしました。
車の運転することの意味って軽くなくて重いんですよね。
てなわけでなんか錯乱したけど結論はやっぱり愛車が一番。